インテリジェントディジタル制御電源の開発

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近年,プロ用音響・映像機器やサーバなどの専用電子機器に加え,家庭用パソコンやゲーム機,情報通信機器など汎用の電子機器に用いられるスイッチング電源への要求性能の複雑化・多様化は著しい。電圧のマルチレベル化・高品質化,電源起動・停止時の過渡状態の品質保証,ディジタル負荷特有の電圧安定性,経年変化に対する品質保持,故障・寿命診断,分散・並列冗長運転のための通信機能などがその例としてあげられます。しかしながら,スイッチング電源のアナログ回路は,線形素子に加え非線形素子により構成されるため,その動作は非線形であり高精度制御が困難な対象です。また,スイッチング電源によるエネルギー変換の過程は,入力電圧や負荷状態に強く依存することも制御を困難にする要因なのです。
本研究は,この汎用スイッチング電源をアナログ制御方式またはLSI方式からディジタル制御方式にするための先行研究開発で,前述した要求性能を低コストに達成することが目的です。すなわち,アナログ回路技術と先進ディジタル制御技術を統合化し,スイッチング電源をインテリジェント化することが研究課題になります。